学会について

理事長挨拶 

一般社団法人みんなのケア情報学会 代表理事 竹林洋一

誰もが自分らしく暮らせる心豊かな社会の実現に向けて

~AIとXRを活用したみんなの学びと交流によってケアの未来をつくろう ~

認知症情報学とは、「認知症」や「発達障害」を人工知能学(AI)の観点から「個性の一部」としてモデル化(表現)し、各種デジタル技術を利活用して、認知的な障害のある人を支えようとする研究分野です。2017年に市民情報学を提唱し、本人と家族を重視する「みんなの認知症情報学会(The Society of Citizen Informatics for Human Cognitive Disorder)」を設立し、みんなで学びながら、立場・専門の壁を超えて「ごちゃまぜ」で交流し、認知症ケアや地域づくりの実践的研究に取り組んで参りました。これまでの研究からAIなどのデジタル技術は、子ども・成人・高齢者の心身の状態の記述、ケアの多元的なエビデンス構築に加えて、「健康増進」や「学びの高度化」に役立つことが分りました。

コロナ禍は人と人との交流を減少させ、社会のデジタル化と少子高齢化が加速しました。世界の政治・経済が激動する中で、デジタル革命は生活や仕事に多大な影響を与え、先行き不透明な時代を迎えました。昨今の生成AIやメタバースなどの目覚ましい進歩によって、「AIに仕事を奪われる」と心配する人もいます。これに対して私たちは変革の時代を生き抜くためのチャンスと考え、多元的AIとXR(Virtual Reality, Augmented Reality, Mixed Reality)技術を活用した「ケア」と「学び」のイノベーションに軸足を移し、学会の名称を「みんなの認知症情報学会」から「みんなのケア情報学会」に変更しました。

人が充実した人生を送るためには、自身のセルフケアを心がけ、その上で「学び」と「交流(社会的インタラクション)」が大切です。心身の健康増進とケアについて広く深く学べるXR・メタバースプラットフォームを構築し、世代・専門・立場を超えて多面的なコンテンツ開発を進め、ケアの未来を拓きましょう。ご支援ご協力をお願いいたします。

(参考)みんなの認知症情報学会創設時の理事長挨拶

一般社団法人みんなの認知症情報学会 代表理事 竹林洋一

誰もが笑顔で暮らせる社会の実現に向けて

〜当事者重視の市民情報学で、みんなで学び、みんなをつなぎ、知を創りだす〜

認知症の人が増え続けていますが、現時点では予防や治療方法は確立されていません。認知症の人や家族を支えるため、多くの専門家や団体による様々な研究や先駆的取り組みがなされ、全国各地で啓発活動や地域づくり等が活発になってきました。その一方、認知症の人と家族、生活環境は多様かつ複雑であり、医療介護現場は閉鎖的になりがちです。発展途上の認知症ケアを高度化するためには、大規模なエビデンス(科学的根拠となるデータ)と経験知・科学知を集積し、洗練させながら横展開する必要があります。

そこで、私たちは認知症を「個性」と考え、本人と家族の視点を重視する市民情報学(Citizen Informatics)という市民参画型の情報学を提唱し、「みんなで学び」、「みんなをつなぎ」、「みんなで知を創りだす」ことのできる「みんなの認知症情報学会」を設立しました。

これまでの研究から、人工知能(AI)と情報技術(IT)は、多様な人の心的状態の記述、認知症の見立て知やケア知の深化成長、多元的エビデンスの構築等に役立つことが分かってきました。
人間中心の様々なAIとITの研究開発と利活用を推進し、「みんな」が世代や職種を超えて「ごちゃまぜ」で研究に参画することにより、認知症に関する「多面的な知」を創りだせると考えております。

認知症の人が暮らしやすい社会は誰もが笑顔で暮らせる社会です。
誰もが自分らしく心豊かに生活できる環境の実現に向けて、子ども、成人、高齢者が世代を超え、「みんなが当事者」となって交流し、支え合うことが大切です。
「みんなの認知症情報学会」は様々な研究や実践活動を推進してまいります。
ご支援ご協力のほど、お願い申し上げます。