第20回オンライン学び交流会(岡田太造さん)「生成AIの時代に心のトラブルを認知科学的に考える」

○ タイトル:生成AIの時代に心のトラブルを認知科学的に考える

○話題提供:岡田太造 (元厚生労働省社会・援護局長)

○概要:厚生労働省を退官後、生活困窮者支援を行うNPO法人等の活動に関わっている中で、妄想など様々な生活上の課題を抱える方々の支援を考えるにあたり、脳内で何が起こっているのかを考察する必要性を感じていました。そのような折、『ミンスー博士の脳の探検』の勉強会に参加し、多くの知見を得ることができました。
一方、近年、ChatGPTなどAI技術は目覚ましい発展を遂げています。AI技術の基盤には、ヒトの脳の働きを模倣したニューラルネットワークに機械学習を通じて、様々な情報を蓄積するメカニズムがあります。AI技術の進展により、ヒトの脳内で生じていることを情報処理として捉え、感覚器官からの情報をどのように処理し、脳内でどのような情報のやり取りが行われているのかについての研究が進められています。様々な症状を新たな視点で説明しようとする研究も進展しています。機能的磁気共鳴画像法(fMRI)や脳波の測定などにより、エビデンスも蓄積されつつあります。
こうした研究の成果の一部を用いて、私たちが知覚している世界がどのようなものなのか、心のトラブルがどのような脳内の情報処理に基づいているのかについて紹介したいと考えています。これにより、生活上の困難を抱えている方々に対する支援のあり方だけでなく、自分自身の生き方、社会のあり方などを新たな視点から見つめ直す機会になればと考えております。
 
○開催日時:2025年10月4日(土)講演時間 14:00〜15:30
           Zoom入室可能時間※ 13:45〜15:30
※Zoom会場では講演前の15分は、Zoom接続確認のほか、参加者の方が自由に交流できる場として開放します。ぜひ気軽にご参加ください。
○開催場所:オンライン会場(Zoom)
○参加費:無料
※無料(事前予約制):みんなのケア情報学会の会員限定ですが、話題提供者のご招待があれば、会員外でも参加いただけます。参加申し込みサイト(方法)は会員向けに一斉配信メールにてお知らせいたします。

○講演者プロフィール: 岡田太造(元厚生労働省社会・援護局長)
 1980年一橋大学経済学部卒業、厚生省入省。厚生労働省社会・援護局保護課長、年金局総務課長、内閣府共生社会政策担当審議官、厚生労働省障害保健福祉部長、社会・援護局長、2014年退官。厚生労働省では、生活保護や生活困窮者の支援、障害者の支援についての制度立案、運営等に従事。退官後は、一般社団法人パーソナルサポートセンター顧問、一般社団法人居住支援全国ネットワーク理事などを歴任し、精神障害等様々な生活課題を抱えて生活に困窮している方々の支援に取り組んできた。現在、一般財団法人日本民間公益活動連携機構専務理事。本学会監事。