○テーマ:
多様なビッグデータを《共有の場》で展開する
〜ヘルスケアデータ解釈学に基づいて〜
○話題提供:
長谷川敏彦さん(一般社団法人未来医療研究機構)
○概要
今回のオンライン学び交流会は未来医療研究機構の長谷川敏彦さんに話題を提供していただきます。
「ビッグデータ」とは、時間を追って変化する、多様で、大量なデータと定義されています。特に医療・介護の現場にはまだ十分に利活用できていないビックデータがたくさんあります。現状、世界に類を見ない詳細な医療保険データも医療費請求にしか使われておらず、62項目のADLを含む介護保険の認定調査データも認定のためにしか使われていません。母子手帳学校健診データも国民全員に存在しています。特に、高齢者の場合これ等を繋ぐと、大きな病気をして受診・入院するたびに介護度の悪化につながっていることが明らかになってきました。
このように長谷川さんはビックデータを収集・解析し、大胆に連携させることによって新たな解釈を与える実践を積んでこられ、政策や臨床の応用する鋭い視点が卓越しています。解釈付きのデータは看護師、介護士、社会福祉士などが、当事者の方に接するときの有効な手元データとして活用できます。また、自治体行政が市民の生活全体を底上げさせるための政策立案に活用できるでしょう。
このほかにも、ヘルスデータ解釈学によって、住民の一人一人の人生をとらえる技を学び、多くの画期的な効果が展開されることをご紹介いただきながら、参加者の皆さまと一緒に深掘りしていきます。
○開催場所:オンライン会場(Zoom)
○開催日時:2022年6月30日(木)
講演 17:30〜19:00
Zoom入室可能時間※ 17:00〜19:30
※Zoom会場では講演・交流会前後の時間は、Zoom接続確認のほか、参加者の
方が自由に交流できる場として開放します。ぜひ気軽にご参加ください。
○参加費:無料(事前予約制)
※申し込み方法は会員様に6月16日からの配信メールにてご連絡させていただいております。
※参加方法および会場URLは事前予約された方にメールにて配信いたします。
○講演者プロフィール
長谷川敏彦さん(未来医療研究機構)
アメリカでの外科の専門医レジデント研修など15年の外科医生活、ハーバード大学公衆衛生大学院での学習研究を経て1986年に旧厚生省に入省し、「がん政策」「寝たきり老人ゼロ作戦」を立案。国立医療・病院管理研究所で医療政策研究部長として「健康日本21」「地域医療計画」「医師需給計画」「医療安全政策」をはじめとした医療予防政策と医療経営政策策定に、国立保健医療科学院で政策科学部長として「スリランカ国全体の国家医療計画」立案に関わった。
その後、日本医科大学で医療管理学主任教授を経て、2014年に未来医療研究機構を設立。現在、地域包括ケアや21世紀のための新たな医学、公衆衛生学、社会福祉学そして進化生態医学創設に向け研究中。最近では過去40年間の日本の医療制度改革の歴史分析を英語で出版。日本医師会公衆衛生委員会にて健康の新定義(2018年)健康格差の答申(2020年)ポストコロナの予防医療(2022年)に参与、日本医学会の120年後医療の在り方提言に参加している。この間複数の自治体と、医療介護保険データを統合したビッグデータにより根拠に基づくデータ科学駆動型政策形成の研究と実装を進めている。
主な著書
地域連携医療・看護・介護・福祉の協働と包括的支援 オーム社,2013
愛知県地域再生・まちづくり研究会報告書 2018
日本医師会公衆衛生委員会提案論文「コロナ後日本医療介護予防の在り方の提案」2022
ウェブサイト:一般社団法人未来医療研究機構
https://rifh.or.jp/