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〇タイトル: 患者の「語り」から考える“生・老・病・死”―DIPEx〈ディペックス〉の取り組み
〇話題提供者: 佐藤(佐久間)りか(DIPEx-Japan・事務局長)さん・中山健夫(京都大学・教授、本学会理事)さん
〇概要:
医学的枠組みによって捉えられた病気、治療者の視点から見た問題としての疾患(disease)に対し、病い(illness)を人がその病気を生きた経験、当事者の視点から語られた物語として区別する考え方をご存じでしょうか。医学は疾患の生物医学的な治癒(cure)を目指して発展してきましたが、ケア(care)の提供において重要なのは病いの経験に対する理解です。疾病が患者にもたらす生活や人間関係の変化、不安・怒り・悲しみ・喜び・諦めといった感情、さらにそうした経験を通して身に着けていく知恵と勇気―いわゆる「生・老・病・死」の苦悩を人々がどのように受け止め、意味づけしているかを伝えてくれるのが患者の「語り」です。
NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン(DIPEx-Japan)は、インターネット上で、400名を超える病気や障害、医療の経験者の語りに、映像や音声を通して触れることができる「健康と病いの語りデータベース」www.dipex-j.org を作成しています。
今回のオンライン語り交流会では、このDIPEx-Japanの事務局長の佐藤(佐久間)りかさんと、同法人副理事長であり、みんなのケア情報学会の理事でもある中山健夫さんが、「健康と病いの語りデータベース」の17年間の歩みを振り返りつつ、同時期に急速な発展を遂げてきたAI技術が今後のDIPExにとってどのような可能性を提供してくれるのか、逆に身体を持たないAIが「生・老・病・死」という人間の苦悩を学習することでどう変わるのか、といったことについて意見を交わします。
○開催場所:オンライン会場(Zoom)
○開催日時:2024年5月19日(日)
講演、交流 13:00〜15:00
入室可能時間※ 12:45〜15:00
※講演前後の時間は、Zoom接続確認のほか、参加者の方が自由に交流できる場として開放することが特長となっております。お時間の都合が合いましたら、ぜひ気軽にご参加ください。
○参加費:無料(事前予約制):みんなのケア情報の学会の会員限定ですが、話題提供者のご招待があれば、会員外でも参加いただけます。参加申し込みサイト(方法)は会員向けに一斉配信メールにてご連絡いたします。
※オンライン会場(Zoom)会場のURLは申し込みサイトから申し込みされた方にメールにて自動送信いたします。近日、申し込みサイトをご連絡しますので、招待者の方も含め、必ず予約をお願いします)
なお、予約されたメールアドレスに今後、開催するイベントの案内をさせていただく場合があります。
〇話題提供者プロフィール:佐藤(佐久間)りかさん(認定NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン事務局長)
東京大学文学部心理学科を卒業後、株式会社パルコに勤務。
同社発行のマーケティング雑誌の編集部を経て、ニューヨーク大学大学院アメリカ文化科に留学。
修士号を取得後、プリンストン大学大学院社会学科で博士課程単位取得後退学。
帰国後、婦人科疾患の患者会活動に関わりながら、中山健夫氏が代表を務める厚労科研研究班に協力する中で、2005年に英国のDIPEx(現・Healthtalk)を知る。
中山氏らとともに2007年のDIPEx-Japan設立に携わり、以来事務局長を務めている。
DIPEx-Japanのシニアリサーチャーとして、インタビューやデータ分析などデータベース構築にも関わっている。
「健康と病いの語りデータベース」www.dipex-j.org
〇話題提供者プロフィール:中山健夫さん(京都大学 教授、本学会理事)
東京医科歯科大学医学部卒業後、東京厚生年金病院(現在東京新宿メディカルセンター)や国立がんセンター研究所がん情報研究部 室長などを経て、
現在は京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 教授、同医学部附属病院倫理支援部 部長。
厚生労働省第4期特定健診・特定保健指導の在り方検討会座長、
国立研究開発法人日本医療研究開発(AMED)ヘルスケア社会実装基盤整備事業プログラムスーパーバイザー、
公益財団法人日本医療機能評価機構 EBM医療情報部(Minds)運営委員長、
一般社団法人日本医学会連合 診療ガイドライン検討委員、
日本ヘルスコミュニケーション学関連学会機構 副理事長等、日本の健康・医療情報の分野において大きく貢献している。
京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻健康情報学ホームページ http://hi.med.kyoto-u.ac.jp/