第16回オンライン学び交流会(小川敬之さん) 「認知症の人と共にした30年 -奏あってきた日々-」!講演動画を会員向けに公開!

第16回オンライン学び交流会

講演動画を会員限定公開しました。

○テーマ:認知症の人と共にした30年 -奏あってきた日々-
○話題提供:小川敬之さん(京都橘大学 健康科学部 教授)
 司会:竹林洋一(みんなのケア情報学会 理事長)
○概要: 厚生省(現厚労省)に認知症対策室が設置されたのは1986年のこと。丁度、私が作業療法士として働き始めた頃のことです。回廊式の施設、アバン(薬)、カラン(薬)、抑制は当たり前、大学で教えてもらったことは、進行疾患で治る見込みがない認知症(痴呆症)はリハの対象にはならない。
 それでも、現場では目の前にはいつも認知症の人がいる。何とかしたい、何とかしなければと思えば思うほど空振りも多く、濃い霧の中を手探りの毎日。「自分にできることは何もない・・」心身の治療や機能の回復の知識と技術しか身につけていない若造の作業療法士には超えることのできない大きな壁でした。途方に暮れてしまって・・。プチ鬱のような状態になったのを覚えています。
 河合隼雄の「影の現象学」「生と死の接点」、池波正太郎の「鬼平犯科帳」 偶然、手にとって読んだ本・・。
 影も日向も一人の人間に同居している。それが本来の人間の姿。盗賊も外では蔵を破り金銭を盗み、時として人を殺める。しかし、家では良い父親。同じ人間に同居しているそれぞれの顔。それが人間。様々な状況と関係し合いながら揺れ動く人の心のあり方。
 病も一つの要素、様々な関係性の中で物事は姿を変え、意味を変えてゆく。認知症も同じ、治る、治らないの話ではない。どう関係を持つか。ここから認知症の人に対する私の作業療法(Occupational Therapy)が始まりました。

○開催場所:オンライン会場(Zoom)
○開催日時:2023年9月30日(土)
 講演、交流 14:00〜15:30
 入室可能時間※ 13:45〜16:00
 ※講演・交流会前後の時間は、Zoom接続確認のほか、参加者の方が自由に交流できる場として開放することが特長となっております。お時間の都合が合いましたら、ぜひ気軽にご参加ください。
○参加費:無料(事前予約制):みんなのケア情報の学会の会員限定ですが、話題提供者のご招待があれば、会員外でも参加いただけます。 

○話題提供者プロフィール
小川敬之さん(京都橘大学 健康科学部 教授)認知症専門作業療法士
【学歴】
・労働福祉事業団九州リハビリテーション大学校作業療法学科卒
・宮崎大学大学院(内科学講座 循環体液制御学分野)卒業(医学博士;慢性腎臓病関連;ANP、BNPと慢性腎臓病、認知症との関連、アドレノメジュリンと認知症)
【職歴・活動】(臨床15年、教育/臨床18年)
1986年 労働福祉事業団神戸労災病院(ハンド、頸椎症、CVA、SCIなど)
1990年 日本赤十字社 今津赤十字病院 認知症治療病棟 OT主任
1998年 日本赤十字社 特別養護老人ホーム 豊寿園 生活指導兼訓練係長
2000年 九州保健福祉大学 保健科学部作業療法学科
2012年 NPO法人 地域支援センター つながり理事長(宮崎県)
2016年 合同会社 SA・Te 黒潮 副社長(宮崎県)
2018年 京都橘大学 健康科学部作業療法学科
2019年 京都大学医学部 非常勤講師
2020年 NPO法人 地域共生開発機構 ともつく副理事長(京都府)
2023年 東京都健康長寿医療センター研究所(サバティカル:5ヶ月間)
2023年 一般社団法人 ninnin, 代表理事(京都府)