9月7日(土)・8日(日)の2日間、川崎商工会議所に於いて「第2回年次大会」を開催しました。
テーマ:みんなごちゃまぜで考えよう~ホントにできる?自立共生支援AIによるまちづくり
大会長:加藤忠相・石山洸
実行委員長:髙瀬義昌
後援:川崎市・川崎商工会議所
多様な立場や専門家、当事者が参加し、様々な意見交換や交流があり、盛会のうちに終了することができました。
1日目の石山洸共同大会長(エクサウィザーズ)の講演では、自立共生支援AIと認知症情報学のこれまでの進展と今後の展開についての話があり、続くシンポジウム「つながり力を考える」では、岡田太造氏(元厚生労働省社会・援護局長、みんなの認知症情報学会)、竹島正氏(川崎市精神保健福祉センター)、沢井佳子氏(チャイルド・ラボ)よりそれぞれの立場から話題提供があり、孤立した人をつくりださないためには、専門職や家族以外の人達とつながることが重要であること、そのためにはどのような社会が必要になるのか考える場となりました。
ランチセミナーでは、橋田浩一副理事長(東京大学)から、個人情報の利活用に関するPLR(Personal life repository)の紹介がありました。
首藤義敬氏(株式会社Happy)の招待講演では、笑い溢れるお話は参加者の心をつかみ、「遠くのシンセキより近くのタニン」「一人のプロより百人の素人」という言葉からたくさんの想いが伝わり、自立共生支援AIに関するヒントが得られました。凝り固まった、こうでなければならないというケアやサポートのあるべき姿がかえって生きづらさを生み出していること、見方を180度変えて、発想を転換すれば、みんなが幸せに、笑顔になれる支え合いが生まれることを未だかつてない事例を持って示していただきました。
SIP「〝認知症の本人と家族の視点を重視する〟マルチモーダルなヒューマン・インタラクション技術による自立共生支援AIの研究開発と社会実装」の取り組みでは、石山洸共同大会長(エクサウィザーズ)、宮⽥裕章氏(慶應義塾⼤学)、桐山伸也氏(静岡大学)、小林美亜氏(静岡大学)よりそれぞれの立場からSIPの自立共生支援AIの研究開発の取り組みの紹介がありました。PDの安西祐一郎氏より、「みんな」というアプローチに関して評価いただき、「大切なことは幸福なことを考えることが大切である。個別の評価ではなく幸福な社会を構築するか考えることが大切だ。」とのコメントをいただきました。
ポスター発表では、多様性に富む、ユニークな演題が集まり、演者と参加者が交流を深めることができました。
2日目のシンポジウムでは、加藤忠相共同大会長(あおいけあ)、唐澤剛氏(慶應義塾⼤学)、小川敬之氏(京都橘大学)、坂口和也氏(ときわ会)より「CAREする街の賑わいづくり」に関する自身の取り組みの紹介がありました。個々の持っている力を引き出し、その力を思う存分に発揮できる環境を創ることが、いかに大切かを振り返りながら、実際にどんな仕掛けがつくれるのかを考えるためのヒントがたくさん散りばめられていました。
特別セッションでは、坂根裕氏(エクサウィザーズ)、石川翔吾氏(静岡大学)より技術的な側面に関する話がありました。時間を超過して白熱した議論が起こり、私達ひとりひとりが研究者という考え方、ごちゃまぜの討論がありました。AIに対するそもそもの疑問に丁寧に向き合い、AIを活用することに向けたこれからの課題が示されました。
ランチでは、上野秀樹副理事長(千葉大学医学部附属病院)から、みんなの認知症見立て塾の紹介がありました。
市民公開ワークショップでは、当事者の方々からいただいたやりたいことを踏まえ、やりたいことを実現するためには、どのようなアィディアが必要になるのか、型にはまらない自由な発想で盛り上がりました。
まさに、大会テーマ通り、みんなごちゃまぜで考え、次の課題を見出したところで、幕を閉じました。
【ご登壇者と演題】
9月7日(土)
<共同大会長講演>
「自立共生、みんなごちゃまぜ。どこまで進んだ、認知症情報学!?」
石山洸 (株式会社エクサウィザーズ・代表取締役社長)
<シンポジウム①>
「つながり力を考える」
岡田太造(みんなの認知症情報学会)
竹島正(川崎市精神保健福祉センター・所長)
沢井佳子(チャイルド・ラボ 所長)
<ランチョンセミナー>
「PLRの紹介」
橋田浩一(東京大学・教授)
※PLR
<招待講演>
「はっぴーの家ろっけんの活動紹介”現代版 大家族”の取り組み」
首藤義敬(株式会社Happy・代表取締役)
<特別企画>
「SIPの取り組み」 ※SIP
石山洸 (株式会社エクサウィザーズ・代表取締役社長)
宮田裕章(慶応義塾大学・教授)
桐山伸也(静岡大学・准教授)
小林美亜(静岡大学・特任教授)
安西祐一郎(慶應義塾・学事顧問)
9月8日(日)
<シンポジウム②>
「CAREする街の賑わいづくり ~CARE(気にかける)しあう居場所を考える~」加藤忠相(株式会社あおいけあ・代表取締役)
唐澤剛(慶応義塾大学・特任教授)
小川敬之(京都橘大学・教授)
坂口和也(社会福祉法人ときわ会・副理事長)
<特別セッション>
「自立共生支援AIの取り組み-AIは認知症の課題にどのように貢献できるのか?-」
石川翔吾(静岡大学・助教)
坂根裕(株式会社エクサウィザーズ・取締役)
橋田浩一(東京大学・教授)
<ランチセミナー>
上野秀樹(千葉大学医学部附属病院・特任准教授)
「みんなの認知症情報学会の見立て塾の紹介」
<市民公開ワークショップ>
「認知症のある本人の声を中心とした自立共生社会について考えるワークショップ」
鬼頭史樹(名古屋市認知症相談支援センター・主事)
田中克明(DFJI)
杉本一美(名古屋市認知症相談支援センター)
服部優香理(岐阜県作業療法士会)
山田真由美(あゆみの会、おれんじドア も~やっこなごや)
渡会裕美子(あゆみの会)
友村純子(あゆみの会)
・第2回年次大会ホームページ
プログラム
インタラクティブ発表リスト・受賞者
※PLR…Personal Life Repositoryの略。詳しくはこちら(PDF)。
※SIP… 「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AI を活用したサイバー空間基盤技術」(内閣府)
詳しくはこちら。